管理人の現在の仕事

俺は今まで、鳶や土木、造船所などガテン系の仕事しかしたことがありませんでした。

しかし、50歳60歳になっても力仕事をしていくのは将来的にきついなと思う部分や、単純にスーツを着て真面目な仕事をしている人への憧れのようなものもありました。肉体労働・汚れる仕事ではなく、頭脳労働・清潔な仕事がしたかったのです。

これは少年院に入院する前から頭の中にあったことでしたが、警察に逮捕されて少年院に入院したことで、より一層気持ちが強まりました。そして、少年院で知識や資格等を取得したおかげで、目標は現実となり、パソコン関係の仕事に就くことができました。

仕事内容としては、ホームページ作成代行などをするWeb業界に携わる仕事です。

俺が思っていたよりずっと厳しい世界ではありましたが、今まで味わったことのない楽しさを感じています。時間を気にせず仕事ができるのなんて初めてです。

今までは仕事終わりの17時を迎えることが、俺にとっての仕事でした。
しかし今では、時間が足りなくて困るほど仕事に熱中できています。

その変わり、まだ発展途上の中小企業のため、新人でも会社の経営状況を考えながら仕事をしなければなりません。重要な仕事も任されます。

そういう意味では、やりがいはもの凄くありますが、逆にプレッシャーもきついです。
従業員の入れ替わりが非常に激しく、俺が入社してから1年以内の間に、辞めていった人を10人は見ました。ちなみに、全従業員は50人もいません。

従業員と辞めていった人たちとの割合を見ると、一見ブラック会社のように見えますが、良い会社、良い社長に出会ったと思っています。

厳しい部分もありますが、頑張り続けて、俺のような人間を雇ってくれた社長・会社に貢献していきたいと思います。

就職活動で心がけたこと

今まで働いてきたガテン系の仕事は、履歴書の送付や面接なんてありませんでした。

1度だけ面接じみたことをした会社もありますが、ファミレスで年齢と希望給与を聞かれただけで、「いつから出れる?」と聞かれ「もういつでも大丈夫です」と言うと「じゃぁ明日からの。朝6時30分ぐらいまでに、どこどこの◯◯の駐車場に行ってくれ。黒い車のおっさん行かせるけぇ、あとはおっさんの言う通りにしてくれ」みたいな感じでした。

マトモな社会で生きてきた人は「履歴書送付も無しに面接もなしに、どうやって就活?」と思われる人もいるかもしれませんが、知り合いの紹介やヤクザの紹介で建設系の仕事をする場合、初出勤と同時に職場の人と初顔合わせみたいな感じになるのが一般的でした。

会社側は仲介者に仕事をする人探してもらい、俺たちは仲介者から給料・初出勤の日時・必要な物を聞き、指定日に会社に行く。そこで初めて会社の社長や会社名を知る、という適当さです。

なので普通の就職活動というのがどんなものか、全くの未知の世界でした。

一応少年院で就職活動に関して少しぐらいは学びましたが、出院後にもインターネットで色々と調べまくりました。履歴書を書くのも初めて、ハローワークに行くのも初めて、求人誌などから企業に電話などをするのも初めてで、何もかもが分からないことだらけでした。

まず1つは学歴が中卒ということがあるので、書類審査で落とされる可能性の高さを考慮し、履歴書・職務経歴書などには全力を尽くしました。

履歴書は人生で1番ぐらい綺麗な字を書くように心がけ、丁寧に書きました。パソコン関係の職場を希望していたため、職務経歴書はパソコンのMicrosoft Wordを使用して一応パソコンは使えますよというアピールもしました。(アピールになるほどのものではないのですが)

ネットで調べた情報やハローワークの担当者などによると、パソコン関係の職場は履歴書も職務経歴書も両方パソコンで作成してよいという考えの人もいれば、やはり今でも年配の人は「履歴書は手書きが常識」と考えている古い考え方の人も多いようだったので、俺は履歴書のみ手書きにして職務経歴書と添え状をパソコンで作成しました。

そして、実際に企業の人事担当者から電話がかかってきたら、寝起きだろうが何だろうが、シャキッと電話に出て明るくハキハキ対応をしました。これは、のちに会社でのサラリーマン経験をしてから気付いたのですが、電話での印象は非常に重要であると思います。

そして面接までこぎつけたら、面接でも「第一印象」を意識して臨みました。
相手の目を見てハキハキ喋る、適度に笑顔で対応する、とにかく自信を持って望む、ということを意識しました。

また、当たり前ですが、綺麗な敬語も意識しました。10代を暴走族など底辺の世界で生きてきた人間は、基本的に言葉遣いが汚いです。例えば「~~すか?」や「~~っすね」のように、「で」が抜けるのが一般的です。「~~ですか?」や「~~ですね」というように、綺麗な敬語を心がけました

基本的には、上記のように普通の人からした当たり前すぎることを意識して面接に臨みましたが、その中でも特に「自信を持って望む」のは、採用をもらえる上でかなり重要な要因であると思いました。

少年院上がりで、真っ当な仕事に就こうと考えている人は、自分の立ち位置を認識することも大事です。普通に生きてきた同級生と比べると、自分はあらゆる点で劣っており、あらゆる点で遅れをとっているはずです。

なので、履歴書にしろ、電話応対にしろ、面接にしろ、全てにおいて最善・全力を尽くすことが大事だと思います。

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