少年院での経験

どこの少年院に行っても必ず言われるであろうことが「仕事をすること」です。
事実、仕事をしているかしていないかというだけでも、非行を犯す確率はかなり違ってきます。

そのため、学校に行かない場合であれば出院後に就職活動を行う少年がほとんどだと思います。

少年院では、中学生は主に教科(義務教育の勉強)を学ぶことになりますが、16歳以上であれば原則職業訓練のようなものを受けることになります。

内容としては、溶接・土木建築・板金塗装・情報処理(パソコン)・介護福祉・電気工事・木工・鉄工・農業園芸など、非常に多くの種類があります。

出院後、基本的には少年院で学んだことを活かし(または入院前の自分の経験を活かし)、仕事を探すことになるでしょう。

少年院では職業訓練課程を通して資格も取れるため、多少は就職活動に役に立つと思います。
※ただし、逆に少年院に入っていたことがモロばれてしまうような資格もあります。

就職

少年院では資格も沢山取れるため、就職の際にはその資格を履歴書に書いたりするはずです。
しかしまずはここでちょっとした問題が発生します。

ちゃんと面接などもする会社に就職するならば、「この資格はどうやって取ったの?」といった質問を投げかけてくる担当者が多いと思います。

別にどうにでもごまかせることではありますが、細かいことまで聞いてきたりする面接官もいるため、ここでは嘘のオンパレードになります。
そしてここでついた嘘をちゃんと覚えておかないと、入社後に苦労します。

また、資格に限らず面接官は色々な質問を投げかけてきます。
どんな質問がくるかは全く予想できないし、これまた少年院にいた空白の期間の出来事についての質問は、非常に困ります。 しかし、マトモな会社に入社するのであれば、嘘をつかざるを得ません。

そして、就職できたとしても、同僚と仲が良くなれば良くなるほど、他愛もない話の中で過去のことについて聞かれたりすることが多々あります。

適当にごまかせばいいだけなのですが、それもずっと続けていると疲れてくるし、仲良くなればなるほど、全部打ち明けたくなる衝動に襲われることがあります。

だからと言って、少年院に入っていたことを打ち明けるのは、非常に危険です。

いくら仲良くしていた同僚でも、態度がガラッと変わってしまうことは覚悟しておかないといけないし、一人の同僚に言ったとしてもそれが色んな人に知られてしまう危険性もあります。

場合によっては会社を辞めざるを得なくなる可能性すらあります。
もちろん、理解してくれて、より仲良くなれる可能性もありますが、リスクが大きすぎます。

自分で思っているより、社会の目と言うのは非常に厳しいのです。

当人は、更生して真面目に頑張っていこうと本気で思っていたとしても、一般人からすると”一度でも道を踏み外した人間”というのは危険な人間であり、理解しがたい人間であり、なにより「トラブルになるかもしれない」と思われるのが現実です。

企業はトラブルを嫌います。

ただガテン系の仕事であれば元ヤンもわりと多いので、場合によってはそれほど気にする必要も無いこともあると思います。あくまで”トータル的に考えた場合”には、少年院に入っていたという過去は隠し通して生きていく方がが無難だと言えるでしょう。

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